ピルは望まない妊娠を防ぐ手段として、女性自身が行う避妊法ですが、他にも月経トラブルの改善や美容のために飲んでいる人も少なくありません。女性に多くのメリットを与えてくれる薬ですが、薬であるため、妊娠を望んだときに胎児に何らかの悪影響が出てしまわないか心配になる人もいます。

女性の子宮は、排卵後に黄体ホルモンがたくさん分泌されると黄体ホルモンの濃度が高くなり、卵巣が排卵を起こさないため、性行為を行っても卵子自体がないので妊娠が成立しません。この原理を利用したのがピルで、子宮内の黄体ホルモン濃度を高くして「今妊娠している」と思い込ませることで排卵させずに妊娠を防ぎます。

ピルの服用によって胎児や乳児に影響が出たという報告はなく、先天性異常などが起こるという因果関係が立証されていないので、正しく服用すればトラブルが起こることはないといえます。ですから、以前服用していたとしても胎児に影響が出ることはありませんし、妊娠に気づかずに服用してしまっても先天性異常の心配はないでしょう。

しかし、ピルは、妊娠の可能性がある人や妊娠中、妊娠を希望している人は服用しないようにと注意されています。胎児への影響はありませんが、ピルの服用によって女性ホルモンが増えすぎてしまうことが問題になるためです。
妊娠中は何もしなくても女性ホルモンが濃厚な状態になりますが、ピルを服用して女性ホルモンの濃度をさらに高めてしまうと血栓症や子宮がんや卵巣がんになるリスクを高めてしまう可能性があるためです。胎児に影響はないものの、ピルの服用によって母体トラブルのリスクを高めてしまうので、妊娠が分かったらすぐに服用をやめることが大切です。